知りたい通貨のこと・・・その6
春から夏にかけては、短資の流出も始まりました。
一九七四年以降の経常収支赤字を賄うために大量の長期資本の流入を図りましたが、国際収支の基調が悪化しているので、メキシコ・ペソの平価に疑いがもたれ、ペソの売り投機がおきたのです。
かくして、一九七六年八月三一日、メキシコ政府は、ペソ切下げを断行しました。
一九五四年から続いた一ドル=一二・五〇ペソというレートは放棄され、ペソの為替相場は事実上フロートすることになった。
この発表直後に、メキシコの中央銀行が示したレートは、一ドル=二〇・五〇ペソないし二〇・七〇ペソでした。
つまり、六四・八%の切下だったのです。
メキシコ・ペソが切下げ後大幅にレートを下げたのは、既に過大評価されていたペソが現実的なレートに急激に調整されたものと解釈してよいでしょう。
ということは、メキシコ経済やペソに対する信用がガタ落ちになったことを意味するから、経常赤字を対外借款で賄うとしても、貸し手がメキシコに対する信用供与を渋るようになりました。